大森ファミリークリニック 千葉市花見川区 新検見川 内科呼吸器科アレルギー科

―認知症と診断された人の11%が運転を継続していて、認知症ﾄﾞﾗｲﾊﾞｰの16%が交通事故を起こしています―

認知症ﾄﾞﾗｲﾊﾞｰによる高速道路での逆走事故など危険運転が懸念されていますが、今回は初の全国調査の結果を報告します。

20年1～3月に認知症と診断された7329人のうち、なんと11％の方が運転を継続しており、その内の16％の方が交通事故を起こしていました。93％は自損･物損事故でしたが、7％が人身事故で、いずれの場合も事故を起こした後も運転を継続していました。事故を起こした方の平均年齢は74.6歳で、47％と約半数が75歳未満でした。

運転の頻度は、「毎日」が36％・「週に数回」が３３％と約７割が日常的に運転していました。使用目的は、買い物・通院･通勤など８割近くの方が日常生活で車が必要であることが解りました。

家族が運転に異常を感じていたｹｰｽが34%、家族が運転の中止を試みたｹｰｽが31%あり認知症患者の運転をなかなか止めさせられない実態も明らかになりました。

今年6月から75歳以上を対象に免許更新時に記憶力・判断力などの低下を調べる認知機能検査が導入されましたが、今回の結果を受け、対象年齢の引き下げが必要という意見も出ているようです。