院長挨拶

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アスピリンは癌の死亡リスクを下げる

2011/02

―アスピリンを5年以上継続すると癌、特に消化器癌の死亡リスクが最大59%低下する―

以前からアスピリンによる大腸癌の予防効果および死亡リスクの減少については報告されています。今回は大腸癌以外の癌についても同様な効果を証明した、25000人を対象にした大規模な研究結果のご紹介です。

アスピリンにより癌による死亡リスクは全体として20%低下します。この効果をさらに細かく見ていくと幾つかの特徴が認められます。

まず消化器系の癌でより効果が大きいようです。消化器系の癌における死亡リスク軽減効果は54%であるのに対し、非消化器癌では24%と大きな差を認めました。

さらにアスピリンの継続期間が長いほうがより効果があります。5年未満の場合は効果が認められず、5年以上で21%低下、7.5年以上では31%のリスク軽減効果が認められています。消化器系の癌に限定すると7.5年以上でなんと59%のリスク低下を認めました。

個々の癌について効果が認められるまでの期間は、肺癌・食道癌・膵癌・脳腫瘍で5年以上、胃癌・大腸癌・前立腺癌で10年以上が必要でした。

バイアスピリンによる癌死亡リスクの低下効果は、性別・喫煙歴とは無関係でした。癌家系の方・喫煙する方は、若いうちからバイアスピリンを服用したほうが良いかもしれませんね。

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